2023.12.23

今春の全国大学進学率57.7%で過去最高
長野県50%で依然30位

文部科学省はこのほど、本年5月1日時点で調べた「2023年度学校基本調査」の結果(確定値)を公表しました。それによると、23年春の四年制大学進学率(大学進学率)は全国平均が57.7%で昨年より1.1㌽上昇し、過去最高を更新したことが分かりました。長野県の進学率は50.0%で昨年より1.5㌽上昇したものの全国平均を7.7㌽下回り、都道府県別ランキングでは昨年と同じ30位になっています。

大学進学率は、その年の大学入学者数を18歳人口相当数(3年前の中学校等卒業者数)で割って算出します。23年春は全国で63万2902人(前年63万5156人)が大学に入学し、分母となる18歳人口は109万7416人(同112万1395人)でした。うち、長野県は大学入学者が9525人(同9520人)で18歳人口は1万9069人(同1万9630人)でした。

大学進学率を都道府県別で高い順に並べたのが表です(発表資料を基にWiLL作成)。トップの東京都は8割に迫る割合が大学進学をしている計算です。近隣では山梨県が全国平均を大きく上回る70.9%で3位に入っています。ベスト10の顔触れは昨年と同じですが、茨城が昨年の10位から8位に順位を上げています。

長野以外の北信越各県は、福井が昨年より順位を5つ上げて11位、石川が昨年の13位から16位にダウン、富山が昨年と同じ31位、新潟が34位から32位に上昇しています。

なお、全国の短期大学と専門学校への進学率は、それぞれ3.4%(昨年3.7%)、21.9%(同22.5%)で、ともに昨年よりややダウンしています。この結果、それらに大学進学率などを加えた高等教育機関への進学率は84.0%で昨年の83.8%をわずかに上回っています。(下のグラフ=文部科学省発表「2023年度学校基本調査調査結果のポイント」より)

 

■県出身大学入学者の地元残留率は全国最低レベル

一方、発表資料から大学入学者の地元残留率(大学入学者のうち、卒業した高校と同じ都道府県内の大学に入学した割合)を割り出すと、全国的には全体の44.8%が地元の大学に入学している中で、長野県の地元残留率は18.8%と、昨年の19.6%を大きく下回り新型コロナ前の水準に戻りつつあります。都道府県別に見ると、奈良(15.0%)、鳥取(15.1%)、佐賀(15.4%)、香川(17.4%)に次いで全国5番目に低い割合です。

【高等教育機関への進学率】

「学校基本調査」は、文部科学省が全国すべての学校について毎年5月1日時点で実施している調査で、学校数、学級数(小中高校など)、学部数(高等教育機関)、在学者数、長期欠席者数、教職員数、学校敷地の面積、学校建物の面積、学校経費、卒業生の進路状況などが調査対象になっています。

ここに紹介した高等教育機関関係のトピックスを含めた「学校基本調査調査結果のポイント」はこちらから。また、県内学校については県の「統計ステーションながの」から各種調査結果を見ることができます。