文部科学省はこのほど、本年5月1日時点で調べた「2024年度学校基本調査」の結果(確定値)を公表しました。それによると、24年春の四年制大学進学率(大学進学率)は全国平均が59.1%で昨年より1.4㌽上昇し、過去最高を更新したことが分かりました。
長野県勢(県内高校卒業生)の大学進学率は昨年より0.9㌽アップの50.9%。初めて5割を超え(昨年は49.95%)、都道府県別ランキングで昨年より1ランクアップの29位になっています。ただ、全国平均との差は8.2㌽に拡大、さらに水を空けられた形です。
大学進学率は、その年の大学入学者数を18歳人口相当数(3年前の中学校等卒業者数)で割って算出します。24年春は全国で62万8766人(前年63万2902人)が大学に入学し、分母となる18歳人口は106万3740人(同109万7416人)でした。うち、県勢は大学入学者が9451人(同9525人)で18歳人口は1万8565人(同1万9069人)でした。
大学進学率を都道府県別で高い順に並べたのが表です。トップの東京は8割近くが大学進学をしている計算です。近隣では山梨が全国平均を大きく上回る75.7%で2位に入っています。ベスト10の顔触れは昨年と同じですが、茨城が昨年の8位から4位に順位を上げているのが目立ちます。
北信越地区で県勢以外の各県は、石川が昨年より順位を5つ上げて11位、福井が昨年の11位から16位にダウン、富山と新潟は昨年と同じそれぞれ31位、32位となっています。
なお、大学進学率に短大進学率(3.1%)、専門学校進学率(24.0%)などを加えた高等教育機関進学率は87.3%で昨年の84.0%を大幅に上回り過去最高になっています。
■県勢大学入学者の進学先、地元長野は2位、1位は?
一方、発表資料から県勢9451人が入学した大学所在地を県内と県外別に見ると、県内大学には1749人、県外の大学に7702人となっています。県外に進学した割合(流出率)は81.5%(昨年81.2%)で全国平均の56.7%を大きく上回り、全国で高い方から8番目になっています。県外の都道府県別内訳は、トップが東京2253人、以下、2位神奈川962人、3位愛知678人、4位埼玉648人と続きます。
流出率の高い都道府県は、鳥取(84.9%%)、奈良(84.8%)、佐賀(82.5%)、香川(82.3%)、島根(82.2%)、茨城(81.9%)、和歌山(81.6%)次いで長野。特に、茨城は県外に進学した数が長野の2倍近く、1万3000人を超えています。
高等教育機関への進学率
「学校基本調査」は、文部科学省が全国すべての学校について毎年5月1日時点で実施している調査で、学校数、学級数(小中高校など)、学部数(高等教育機関)、在学者数、長期欠席者数、教職員数、学校敷地の面積、学校建物の面積、学校経費、卒業生の進路状況などが調査対象になっています。
▶文科省がまとめた「学校基本調査調査結果のポイント」はこちらから
▶県内学校については県の「統計ステーションながの」で閲覧できます