日本出版販売(日販、本社・東京)の小中学生向け選書施設「日販図書館選書センター(選書センター)」はこのほど、「図書館員がえらぶ 選書センター大賞2022」を発表しました。全国の小中学校図書館司書や公共図書館司書の投票によって選ばれた、学校図書のトレンドを映すランキングです。総合第1位の大賞は『二番目の悪者』(小さい書房)が輝き、第2位は『へいわとせんそう』(ブロンズ新社)、第3位には『ずかん 宝石』(技術評論社)が入りました。
大賞は、選書センターのコンシェルジュが12の分類別(NDC分類別)に各10冊ずつ計120冊を選んでノミネート。今年9月から11月にかけ、学校司書などにインターネットによるアンケートで、ノミネートの中から各分類のおすすめ図書を最大3冊まで投票してもらいました。昨年に続き2回目の開催です。
総合ベスト3と、それを除く各分類のトップ図書は次の通りです。(選書センター発表より)
<総合ベスト3>
【大賞(第1位)】
『二番目の悪者』(小さい書房、林 木林・作/庄野 ナホコ・絵)
【受賞のコメント】
林木林さん(作)より「栄えある賞にご選出いただきありがとうございます。本作が『自分の頭で考える』大切さに気づくきっかけになれば幸いです」
庄野ナホコさん(絵)より「本の現場の方々に選んでいただき光栄です。動物たちの表情を考え考え描きました。見ていただけると嬉しいです」
【第2位】
『へいわとせんそう』(ブロンズ新社、たにかわしゅんたろう・文/Noritake・絵)
【受賞のコメント】
佐川祥子さん(担当編集者)より「百戦錬磨の図書館司書の方々に本書を選んでいただき、大変光栄です。私たちはみな、同じ人間だということ。『敵も味方もなく生まれてきた世界中の赤ちゃん』の行く末は、戦争ではなく平和な世界でありたいです」
【第3位】
『ずかん 宝石』(技術評論社、飯田 孝一・監修/川嶋 隆義・写真)
【受賞のコメント】
飯田孝一さん(監修・日本彩珠宝石研究所)より「宝石はどうして美しいのだろう。この本は将来宝石の道に進む人が増える事を願い、登龍門として書いたものです。子供の頃から石に触れ親しんでおけば真の魅力が見えてきます。選ばれて最高に感動しています」
<NDC分類別トップ図書>
【0類・総記】
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』(講談社、福井県立図書館・著・編)
【1類・哲学 宗教】
『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版、Jam・著/名越 康文・監修)
【2類・歴史 地理】
『知られざる縄文ライフ え?貝塚ってゴミ捨て場じゃなかったんですか?』(誠文堂新光社、譽田 亜紀子・著/武藤 康弘・監修)
【3類・社会科学】
『著作権ハンドブック 先生、勝手にコピーしちゃダメ』(東京書籍、宮武 久佳・著/大塚 大・著)
【4類・自然科学】
『「はたらく細胞」ウイルスの教科書』(講談社、清水 茜・イラスト/講談社・編)
【5類・技術】
『クジラのおなかからプラスチック』(旬報社、保坂 直紀・著)
【6類・産業】
『すがたをかえる食べものずかん ―大豆・米・麦・とうもろこし・いも・牛乳・魚―』(あかね書房、石井 克枝・監修)
【7類・芸術】
『日本の文化を発信!鳥獣戯画と絵巻物』(あかね書房、山本 聡美・監修)
【8類・言語】
『推しことば類語辞典』(笠倉出版社、山口 謠司・監修/じじぃ・イラスト)
【9類・文学】
『教室に並んだ背表紙』(集英社、相沢 沙呼・著)
【児童文学】
『十年屋 時の魔法はいかがでしょう?』(静山社、廣嶋 玲子・作/佐竹 美保・絵)
【絵本】
『おすしやさんにいらっしゃい!生きものが食べものになるまで』(岩崎書店、おかだ だいすけ・文/遠藤 宏・写真)
〇大賞の詳細はこちら(図書館員がえらぶ 選書センター大賞2022公式サイト)から