飯山高校(飯山市)自然科学部の2年生3人が1月、台湾で開かれた高校生の世界大会「台湾国際科学フェア」に出場し、二酸化炭素(CO₂)を吸収するボール(МBR=Мidori Bioreactor)の研究で生化学部門の1位に輝きました。3人はこのほど県庁に阿部守一知事らを訪ね受賞を報告、「さらに研究を深めていきたい」と意気込みを語っていました。
阿部知事と記念写真に納まる飯山高の生徒たち(前列右から高藤さん、大塚さん、阿部知事、藤澤さん)
受賞チームの3人は、大塚結愛(ゆあ)さん、高藤陽菜果(ひなか)さん、藤澤佳美さん。地球温暖化の原因ともいわれるCO₂を削減する方法を考えていて、МBRの開発を思いつきました。МBRは、ミドリムシなどの緑藻類をアルギン酸カルシウムのビーズに閉じ込めた微小なボール。緑藻類は、光と水と二酸化炭素を使って、酸素と糖を作る光合成をおこなうことで知られています。
3人は、МBRの状態でも光合成が行われるのか、МBRを培養する水溶液の種類によってМBRの性質に変化はあるのかーなどをていねいな実験を繰り返して調べました。実験した水溶液の種類は、酸、塩基、糖、金属イオンなど30種類に上ったそうです。
この結果、多くの糖や一部の酸が培養に有効なことなどが分かりましたが、3人を驚かせた発見は、スーパーなどで安価で手に入る酵母(ドライイースト)の水溶液で培養すると急速に緑色が濃くなり、他の水溶液に比べ短期間でМBRが完成できることでした。この方法で作ったМBRが光合成を行うことも確認できました。

阿部知事との面会では、世界大会で使用したポスターを使って研究成果を説明する場面も(写真上)。知事からは「企業などと共同で研究を行ったのですか。よかったらこの分野で有名な企業を紹介しましょうか」といった提案も出ていました。