2024.03.22

高校生が考える将来必要な力、トップ「主体性」
現在の自分とギャップも

⾼校⽣が考える「将来必要とされる能⼒」のトップは「主体性」―。リクルート(本社・東京)が一般社団法人全国高校PTA連合会(事務局・東京)と共同で、高校2年生を対象に実施した「進路」に関する調査結果で分かりました。将来必要な能力については主体性のほか「実⾏⼒」「創造⼒」「発信⼒」などが上位に挙がっていますが、一方で「現在持っていると思う能⼒」との間には大きなギャップがあることも浮き彫りになっています。

調査は、高校生の「進路」に関する意識を調べ、同時に保護者にも同様のアンケートを実施して双方のコミュニケーション実態なども探っています。昨年9月から10月にかけ学校を通じて調査し、9都県の高校2年生1752人と保護者1457人の回答を集計しました。2003年から隔年で実施しており、今回で11回目。

【将来必要とされる能力と現在持っていると思う能力】

「将来必要とされる能力」として高校生がトップに挙げたのは「自主性」51.5%、2位「実行力」37.2%、3位「創造力」30.1%が続きます。一方、「現在持っていると思う能⼒」については「傾聴力」(43.9%)「規律性」(34.0%)「柔軟性」(29.1%)がベストスリー。自主性に代表されるように、今の自分と将来に向けてつけたい力の間には大きなギャップもあるようです。(下表

【社会の技術革新に対する期待感】

将来の職業に対してAIなどの技術革新の普及・発達が与える影響については、高校生の61%、保護者の53%が期待していると回答。期待する理由は、技術革新により人間のできることの可能性が広がること、効率アップによる生産性向上が望めることなど。高校生に比べて期待する割合が低い保護者では、技術革新による“進化”に、自分の子どもが適応できるかどうかを不安に思う意見もみられました。

【高校における教育改革に対する期待】

高校の教育改革への取り組みに実感のある高校生は4割近くを占めました。具体的な取り組み内容のトップは「生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に取り組む探究学習が重視される」(62%) でした。

ICT教育については、高校生の84.2%が高校が組織的な活用をしていると回答。活用の利点は、「探究活動など、自身の興味ある学びを深めることができた」「共同作業やディスカッションがしやすくなった」など。高校におけるICTの活用の広がりが「探究学習」を支えている様子が見て取れます。

【高校生と保護者のコミュニケーション】

高校生では83.0%、保護者では89.4%が進路について「会話がある」と回答。内容は、「高校卒業後の具体的な進路について」(64.4%)が最多。「将来どんな職業に就きたいか」「将来の自分の夢」などが50%以上で続き、直近の進路に加え、就職や将来など長期的な展望について話しているようです。(下表3点

高校生に進路選択に関する保護者の態度を尋ねたところ、「私の考えを尊重する」「あたたかく見守っている」「相談にのってくれる」が70%程度で上位。保護者が掛ける言葉としても「自分の好きなことをしなさい、やりたいことをやりなさい」(66%)が突出して高く、高校生の自主性を重んじる傾向が強い結果でした。

●「調査結果のまとめ」はこちらから

●調査結果を掲載したサイト(リクルート進学総研)はこちら