2023.12.08

日本の15歳 3分野とも世界トップレベル
OECD学習到達度調査


(OECDホームページより)

経済協力開発機構(OECD)はこのほど、世界81の国・地域(うちOECD加盟は37カ国)の15歳の子どもたちを対象に、2022年に実施した「国際学習到達度調査(PISA)」の結果を発表しました。日本の15歳は、前回(18年)の調査で全参加国・地域地中15位と低迷した「読解力」が今回3位に上昇。「数学的リテラシー(活用能力)」は6位から5位に、「科学的リテラシー」は5位から2位にと、ともに前回より順位を上げ3分野で世界のトップレベルになっています。

調査は、世界で約69万人の15歳を対象に行いました。日本からは、高校や高等専門学校など全国183校から約6000人の1年生が参加しています。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について、2000年以降、おおむね3年ごとに調査実施していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で21年の実施が中止になったため今回は4年ぶりの実施。各回で3分野のうちの1分野を順番に中心分野として重点的に調査しており、今回の中心分野は数学的リテラシー。

日本の平均点の順位は、OECD加盟国でみると次の表のとおり、数学的リテラシーが1位(前回1位)、読解力が2位(同11位)、科学的リテラシーが1位(同2位)。また、全参加国・地域について3分野のベスト10は下表のとおりです。


*国名の後に「*」が付されている国・地域は、PISAサンプリング基準を一つ以上満たしていないことを示す。
※信頼区間は調査対象者となる生徒全員(母集団)の平均値が存在すると考えられる得点の幅を表す。PISA調査は標本調査であるため一定の幅をもって平均値を考える必要がある。

日本は「レジリエントな」国・地域の一つ

PISAでは、授業や先生などについて質問調査も実施しています。OECDがそれらを含めて、①数学の成績②教育におけるウェルビーイング(幸福度)③教育の公平性―の三つの側面から分析した結果、日本は韓国、リトアニア、台湾とともに「レジリエントな」国・地域としています。レジリエントとは、新型コロナウイルス感染症などに屈することのない「しなやかで強い」という意味ですが、日本はコロナ禍でも休校日数が少なかったことなどが要素として挙がっています。

◯「PISA2022」概要は次のPDF(文部科学省公表資料)で確認を