文部科学省はこのほど、大学と短期大学の2022年度入試について入学者選抜の実態を調べた結果をまとめ、公表しました。大学の入試方法では、2年前の前回調査に比べて総合型選抜(AО入試)の実施が拡大しているのが目立っています。また、英語の資格・検定を選抜に活用している割合は、総合型選抜では活用がわずかに縮小したものの、一般選抜(一般入試)と学校推薦型選抜(推薦入試)で大幅に拡大していることが分かりました。
調査は昨年夏、国・公・私立すべての大学と短期大学(計1071校)に調査票を送付、22年度入試について入学者選抜、大学入学共通テストの利用、個別選抜、英語資格・検定試験の活用、記述式問題等の出題—などの実態を調べました。
大学の入学者選抜を分析したところ、選抜区分(選抜方式)は全大学トータルで約6万8000に上っています。うち大部分を占める一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜についてそれぞれの割合を示したのがグラフ。大学全体では一般が約5割、総合型が2割、学校推薦型が3割といったところ。私立大学で総合型の割合が高くなっているのが目立っています。
これを前回調査と比べると(下のグラフ4点)、大学全体、国立大学、公立大学、私立大学のすべてで総合型の割合が上昇。特に、私立大学では6.3㌽も伸び、ここ2年間で急拡大しているのが分かります。国立大学でも3.7㌽の上昇。
また、英語の資格・検定試験をなんらかの形で選抜に活用している割合を、大学全体で見たのが次のグラフ。総合型での活用が最も高く約3分の1に上り、学校推薦型26%、一般24%の順になります。
前回調査との比較では、一般と学校推薦型で活用の割合がアップしている半面、総合型ではわずかにダウンしいます(下のグラフ)。総合型では国立大学で前回の43%から10㌽近く低下したのが大きな要因です。
〇文科省「2022年度 大学入学者選抜の把握及び分析等に関する調査研究
調査報告書」(全181ページ)はこちらから