安全で豊かな放課後の実現を進める「放課後NPOアフタースクール」(東京)はこのほど、小学生の子を持つ働く女性1000人を対象に「小1の壁」に関する調査を実施しました。小1の壁は、子どもの小学校入学を機に子どもの預け先に困り、母親の子育てと仕事の両立が難しくなる社会的な課題。過半数が子どもの小学校入学にあたって働き方を検討し、4割近くが実際に働き方を変えたと回答しました。子育てと仕事の両立のためには配偶者や職場の理解、放課後の子どもの居場所が必要などと考えていることも分かりました。
調査は埼玉、千葉、東京、神奈川の一都三県で2月、WEBアンケートを実施しました。
過半数が「働き方の見直しを検討」、57%が「子育ての負担(や悩み)が増えた」
子どもの小学校入学にあたって、働き方の見直しを検討したのは過半数の50.7%。また、小学校入学で子育ての負担や悩みが増えたと感じたのは57.3%に上りました(グラフ上)。増えた負担や悩みは「勉強サポート」と「夏休みなどの子どもの世話(弁当作り、送迎など)」がダントツに多くなっています(グラフ下)。
実際に働き方を変えたのは37.9%で、内訳は「職場は変えないまま、時短勤務に変更した」が27.4%、「正社員から別の雇用形態に変更した」も12.4%に上るなど、子育てと仕事のバランスや、子どもの生活リズムに合わせるため、柔軟な働き方を求めて就労形態を見直していました。
両立の3要素は「配偶者の理解」「放課後の子どもの居場所」「職場の理解」
子育てと仕事の両立に必要なものを尋ねたところ、ベスト3に「配偶者の理解や協力(67.1%)」、「放課後の子どもの居場所(53.6%)」、「職場の理解(53.5%)」がランクされました。(グラフ下)
6割以上が子どもの放課後の過ごし方に悩む
子どもの放課後に関しては、61.1%の人が悩みを感じていると答えました。具体的な要望としては、半数以上が「子どもだけで安全に遊べる場」や「友達と一緒に自由に遊べる場」が欲しいと回答。「宿題や自主学習をみてくれる場(44.1%)」や「学校のなかでの習い事(41.8%)」にも要望が集まりました。また、放課後に学校施設を活用し、保護者の就労にかかわらず、希望する全ての子どもへの安心安全で、多様な体験機会と学びの機会のある居場所に対しては、78.4%が「通わせたい」と回答しました。
調査した放課後NPOでは「保護者の子育てと仕事の両立には、パートナーの理解、放課後の子どもの居場所確保、職場の理解が欠かせません。行政・企業・地域・家族、いずれの階層においても両立に向けた取り組みが求められています」と語っています。