2022.12.21

開催がうれしかったのは「運動会」と「遠足」
小・中学生の「好き」調査

小・中・高校の教科書を発行する光村図書出版(東京)はこのほど、全国の小・中学生を対象に行った「好き」に関するアンケート調査の結果を発表しました。コロナ下での子どもたちの過ごし方や意識を調べました。開催されてうれしかった学校行事は「運動会/体育祭」と「遠足」、また「子ども部屋などの個室」より「家の人がいる場所(居間など)」で勉強するのが好きと答えたのは小学生で7割を超えていました。

調査は、今年11月に児童・生徒本人に聞き取りし保護者が回答する形でインターネットで行いました。500人(小学生335人、中学生165人)から回答がありました。昨年に続き2回目の実施です。

アンケート集計結果から、光村図書出版がポイントとして挙げているのは次の6点です。

家で勉強する場所は「家の人がいる場所(居間など)」が好き

「家の人がいる場所で学習するのが好き」という回答が、小・中学生全体の6割超(65.4%)を占め、「子ども部屋などの個室で学習するのが好き」(29.4%)の2倍以上となった。この結果は、2021調査とほとんど変わっていない。
小・中学生別に見ても、「家の人がいる場所で学習するのが好き」が小学生は73.1%、中学生は49.7%と最も多く、ともに「子ども部屋などの個室」を上回る結果となった。学年別に見ると、「家の人がいる場所で学習するのが好き」が小1~小3では8割超(82.1%)、小4~小6では6割超(64.1%)、中1~中3では半数を下回り(49.7%)、学年が上がるにつれて個室での学習を好む割合が増える傾向が見られた。

デジタル端末を使った学習活動で好きなのは「動画を見る」「調べものをする」

GIGAスクール構想の推進により、一人一台の整備が進められているデジタル端末(タブレット等)を使った学習活動で好きなことについては、小・中学生全体で1位が「動画を見る(73.2%)」、2位が「調べものをする(44.4%)」となった。
小・中学生別に見た場合、3位が小学生では「問題を解く(31.6%)」なのに対し、中学生では「音声を聞く(35.8%)」と異なる結果となり、デジタル端末を使った学習活動の好みの違いが見て取れた。

わからないことがあったとき、中学生は「ネットで調べる」がトップ

小・中学生全体では、「家の人や周りの大人に聞く」(61.6%)が最も多く、次いで「スマートフォン・インターネットの検索エンジンで調べる」(48.0%)と続いた。
小・中学生別に見た場合、小学生の1位が「家の人や周りの大人に聞く(72.2%)」なのに対し、中学生の1位が「スマートフォン・インターネットの検索エンジンで調べる(69.1%)」と、結果がはっきりと分かれた。中学生の「スマートフォン・インターネットの検索エンジンで調べる」という回答は、2位以下の回答に大きく差をつけており、中学生の学習環境にスマートフォンやインターネットが深く浸透していることが見て取れた。

好きな登場人物は、小学校教材の「スイミー」が1位。中学校教材の「メロス」も人気

「スイミー」(スイミー)や「ごん」(ごんぎつね)といった小学校で習う登場人物を、小学生だけでなく、中学生も多く挙げる結果となった。一方、中学校で習う「メロス」(走れメロス)や「エーミール」(少年の日の思い出)なども、印象深いキャラクターであることがうかがえた。

2022年に参加できてうれしかった学校行事は、「運動会/体育祭」と「遠足」

新型コロナウイルスの感染状況が一時的に落ち着き、行動制限が緩和されたことで、参加できてうれしかった学校行事は、小・中学生全体で1位が「運動会/体育祭(53.2%)」、2位が「遠足(45.4%)」となり、3位以下に大きく差をつけた。
小・中学生別に見ると、中学生では「文化祭/学芸会」(30.3%)、「音楽会/合唱コンクール」(18.2%)などの文化系のイベントを挙げる回答が、小学生よりも多く見られた。

好きな余暇の過ごし方は「ゲーム」と「動画」

小・中学生全体では、前回の2021年調査と同様に「ゲームをする」が約7割(68.0%)で最多となり、2位「YouTubeなどの動画を見る(62.4%)」、3位「テレビ番組を見る(43.0%)」と同じ順位となった。前回の2021年調査で4位だった「公園など屋外で遊ぶ」は、行動制限が緩和された2022年は6.6pt減少し、約3割(30.4%)にとどまった。一方、「動画を見る(Netflix・Amazonプライムなどの動画配信サービス)」は2021年調査よりも4.0pt増加し、インドアな過ごし方を好む小・中学生がやや増えている傾向が見て取れた。

小・中学生別に見ると、中学生は「公園など屋外で遊ぶ」(10.3%)、「運動をする」(15.2%)、「買い物に行く」(16.4%)の回答がすべて小学生を下回り、スマートフォンなどのメディアを活用した過ごし方を好む傾向がわかった。SNSの利用についても、「SNSなどで友達とコミュニケーションを取る」(+21.3pt)、「SNSを見たり投稿したりする(Twitter・Instagramなど)」(+13.7pt)は、中学生が小学生を大きく上回り、学年が上がるにつれ、より多く利用されていることがわかった。