文部科学省はこのほど、デジタル教科書の学習効果などを調べるため小学生約200人を対象に行った実証実験について、子どもたちにアンケート調査した結果を公表しました。授業への評価では、「興味や関心がもてる授業だった」「知っていることや、できることが増える授業だった」などすべての設問で、子どもたちは紙の教科書よりデジタル教科書の授業に軍配を上げました。
実証実験は、富山県、東京都など全国4地域の5校で国語、算数、社会、英語の4教科について、紙の教科書を使った授業とデジタル教科書の授業をそれぞれ3週間程度ずつ行う形で実施しました。
実験後に行ったアンケートは「主体的な学び」に関する設問が5問、「対話的な学び」6問、「深い学び」7問の計18問。各設問について、「デジタル教科書の方がそう感じる」「デジタル教科書の方がややそう感じる」「どちらも同じくらい」「紙の教科書の方がややそう感じる」「紙の教科書の方がそう感じる」の五つから当てはまる項目を選ぶ方式です。全設問について、各項目の回答割合を表したのが下のグラフ。すべての設問で、デジタル教科書の授業を評価した割合が紙の教科書より高くなっています。
また、デジタル教科書と紙の教科書の各授業について健康面への影響を聞いたアンケートでは、デジタル教科書の方が頭、首・肩、手に疲れを感じたと回答した割合は低かった一方、目の乾きを感じた割合は高いという結果でした。
実証実験やアンケート調査についてもっと知りたい人はこちら(文科省のホームページ「令和2年度『学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業』の成果について」)から。