2023.01.04

小、中、高生のスマホなど長時間使用が日常化
学力への影響など心配?

県内の教員や小児科医師などでつくる「子どもとメディア信州」と県、県教育委員会はこのほど、小学3年生~高校生の子どもたちと保護者を対象に行った2022年度の「スマホ、タブレット、ゲーム機に関するアンケート調査」の結果を公表しました。スマホなどを学習以外で使用する時間は、1日3時間以上と回答した高校生が前年度から急増して5割を超えるなど、小、中、高校生ともに前年度に比べ長時間化していることが分かりました。

アンケート調査は、22年5月から7月にかけて実施。スマホの所有状況やICT機器の使用状況、ネットトラブルなどについて聞き、児童・生徒、保護者合わせて約13万人の回答を集計しました。

スマホの所有状況が次のグラフ。「自分だけが使えるスマホを持っている」と答えた割合は、小3は15.8%で前年度並みだが、小6になると28.1%で前年度比2.3㌽増、小学生でも高学年になると所持している割合が増加しています。中学生は1年が約4割、2年で5割を超え3年では6割近くに上ります。高校生は100%近くが所持している状況です。

■スマートフォンの所有状況

「スマホやパソコン、タブレットでよくやっていること」は、全学年を通して「動画視聴」が多く、学年が進むにつれ「SNS」「音楽鑑賞」などの割合が高くなっています。「ゲーム」はどの学年でも利用する子どもが多く、高校生では買い物に利用する生徒の割合も上昇してきます。(グラフ)

■スマホやパソコン、タブレットでよくやっていること(児童生徒・複数回答)

「よくやっているSNS」は、小学生が「LINE」と「TikTok」、中学生が「LINE」「TikTok」「Instagram」、高校生が「LINE」「Instagram」「TikTok」。InstagramとTikTokの利用者が全体的に増加しています。

平日に学習以外でスマホなどのICT機器を何時間使用しているかを、前年度との比較で見たのが次のグラフ(小、中、高校生別)。

小学生では、「0時間」「~0.5時間」の割合が前年度に比べて低くなり、「0.5~1時間」以上についてはどの使用時間帯でも上昇。特に「1~2時間」の上昇が著しく、「6時間以上」も3.3%いました。中学生は、1時間を超えるすべての使用時間について前年度より高い割合になり、「6時間以上」も3.7%に。高校生になると、3時間以上の使用時間(「3~4時間」「4~5時間」「5~6時間」「6時間以上」の合計)は半数以上の52.9%。「6時間以上」が前年度より2.1㌽アップし12.9%に上っています。

調査を行った子どもとメディア信州は、Instagramやオンラインゲームの利用によるトラブルの増加などを課題として指摘。また、文部科学省の調査でゲームやSNS、動画の長時間使用がテストの成績低下につながる傾向が指摘されていることから、今回の調査結果からスマホなどICT機器の使用が信州っ子の学力におよぼす影響を心配しています。

〇調査の詳しいデータや、過去の調査結果についてはこちら(県教育委員会のホームページ)