紛争やインフレが続き、市民生活が困難になっているスーダンの現状と国際的な支援の状況について、国連児童基金(ユニセフ)広報官のジェームズ・エルダー氏が9月19日、国連の定例記者会見で報告しました。現地では保健・栄養サービスが打撃を受け、周産期の医療やケアが適切に行われない状況にあるとして、「年末までに何万人もの新生児が命を落とす」と警鐘を鳴らしました。その上で、ユニセフが現地で行っている支援活動の資金が不足していることを説明し、支援を求めました。
報告の抜粋は以下の通り。
「市民が非情にもないがしろにされ、保健・栄養サービスが執拗な攻撃を受けていることを背景に、ユニセフは、この先年末までに何万人もの新生児が命を落とすことを恐れています。
避難生活を余儀なくされているこの国では、医療物資の不足も深刻であり、適切な分娩ケアを受けられる可能性は日に日に薄れていっています。
栄養サービスも同様に壊滅的な打撃を受けています。毎月5万5,000人の子どもが、最も死亡率の高い栄養不良状態となり、治療を必要としています。
ユニセフは、紛争地域を含むスーダンの全18州において、子どもたちのために支援活動を行っています。保健物資、安全な飲料水、栄養不良の検査、命を守る治療のほか、スーダン全土に設置された安全な場所を通じて、心理社会的カウンセリング、学習、保護に関する支援を提供しました。
しかし、私たちは資金を必要としています。ユニセフの資金要請に対し、集まったのは今月現在で4分の1に満たないのです。このような資金不足は、命が失われることを意味します。
第一線で働く看護師、医師、教員、ソーシャルワーカーたちは、何カ月も給料を受け取っていないのです。彼らの人柄と献身的な努力だけでは、急速に枯渇する物資を補充したり、吹き飛ばされた病院を修復したりすることはできないのです」