2025.12.25

公立高入試の「デジタル併願制」、どう思う?
中高生の約8割が支持

長野県を含めた多くの都道府県で公立高校受験が「単願制」になっていることについて中高生の77%は「問題だと思う」と認識し、82%は「単願制よりデジタル併願制の方がよい」と考えていることが、朝日学生新聞社(東京)と東京大学マーケットデザインセンター(同)が中高生約400人を対象に共同実施したデジタル併願制に関する意識調査で分かりました。

単願制は、県高校入試の前期選抜や後期選抜のように、一つの高校に絞って出願し受験する方式のことです。デジタル併願制(DA)は、公立高校入試の「単願制」に替わるものとして国が検討している制度。高校を受験する際、第1志望、第2志望など複数の高校に志望順位をつけて出願することができ、選抜試験の成績や調査書の評価とこの志望校の優先順位をもとにデジタル処理することで、受験生に適した学校(1校)の合格判定を行うことができる仕組みです。米ニューヨーク市の公立学校入試などでも導入されているようです。

調査は、今年10月から11月にかけてインターネットで実施。回答者は430人で、うち中学生が300人、高校生が92人でした。「多くの都道府県で単願制となっていることについてどう思うか」と「単願制とデジタル併願制のどちらがよいと思うか」の設問に対する回答結果は下のグラフの通りでした。

単願制については回答者の約77%が「問題だと思う」と答えました。また、「併願制(DA)のほうがよい」と答えた中高生は約82%でした。

 

さらに調査では、第1志望だが合格が難しいと言われている「公立高校A」と合格の可能性が高い「公立高校B」があると仮定し、単願制とデジタル併願制それぞれの場合にどう出願するかを聞いています。

その結果が下の「出願行動の変化」の図です。デジタル併願制になれば難度の高い高校Aを第1志望として受験する人が大幅に増えそうなことも分かりました。単願制なら「公立高校は合格確率が高い高校Bに出願する」と答えた147人のうち、約85%にあたる125人が、併願制(DA)なら「第1志望を高校A、第2志望を高校Bとして2校に出願する」と回答しました。私立も含めた高校入試制度が大きく変わる中で、デジタル併願制の導入に期待が高まると考えられます。